この数日,筆者は自宅に光電話を導入するということで,電話周辺のマニュアルなどを頭に叩き込んでいました.なぜなら,そのときまで家族は電気関連シロウトで,全て筆者に任せきりだったのです.そんな中,光電話工事前日に母方の叔母から電話があり,1階の母の雑談が2階まで筒抜けで聞こえてきました.筆者は卒業した大学側に就職したと口実をついています(担任らが心配するので).その設定は親族に対しても徹底したはずでした.それが,母は叔母に私が卒業したのに無職で家にいるということを,ペラペラしゃべっていたのです.その叔母というのが親族の中でもスピーカーのような人で,他の親族にまで筆者自身の現状が暴露されるのは必至と咄嗟に思い,母に話題を代えるよう父とでサインを送りました.電話後,私はパニック状態に陥り,その日から,「親族に病気がバレる...もう自分なんて消えてしまいたい...」と希死念慮がふつふつと沸いてきたのです.
何とか電話工事の日を終え,親も筆者の苦労を理解してくれたので,自分たちで電話の使い方を覚える努力をしてくれました.「もう,これだけインフラ設備の設定もできれば親だけでもやっていける.自分の必要は無くてもいいだろう...親族にバレるくらいなら,いっそ死んでしまいたい...」.そんなとき,目の前にぶら下がるガウンの帯紐が目に入りました.テレビでやっていた自殺トリックにありました.手すり程度の低い位置でも,首に紐を巻き,座り込めば,自重で首が絞まると...それを筆者はベランダの手すりで実行しました.
気がつくと,買い物から帰ってきた父が,私をゆすり起こしているのです.「父さんより先に逝っちゃダメだ・・・」を繰り返しながら...私が咳き込んでいる間,親がクリニックに電話し,緊急で診てくれることになりました.親子3人で向かう間,筆者は随分と放心状態にありました.ところが先生にだけは,自分から今までの出来事をスラスラと説明しました.親も色々説明していたように覚えています.そして,先生からメジャー・トランキライザーのヒルナミン(またはレボトミンと言われます)を薦められました.これは脳内を眠らせて思考力を休めて,希死念慮など余計なことを考えないようにする薬だそうです.それから万が一,夜間や休日などにまた同じような状態になったとき救急で診てくれる,精神科専門の救急病院の連絡先を教えてもらいました.とにかく,ヒルナミンで様子を見て,また来週月曜日に電話で経過状況を教えてください,と先生から言われました.
<治療費と薬代6日分(1割負担)>
治療費 500円
薬代 140円
・ヒルナミン5mg 6錠/日(朝夕)