お薬辞典 







2006年08月30日

ホワイトカラーエグゼンプション

 昨日までに,「心の病増加」62%自閉症配慮怠り自殺と遺族 で,働く人のメンタルヘルスがどれほどお座なりにされているのか,お分かりいただけたと思います.

 ところでブログをご覧のみなさま,
ホワイトカラーエグゼンプション(White Collar exemption)という言葉を聞いたことがおありでしょうか? この制度が日本企業に浸透していくことで,働く人のメンタルヘルス・健康管理が,今後会社責任でなく,自己責任に課せられていくというのです.つまり過労死の裁判や,労災申請などでも会社がより頑固に受け入れてくれなくなるわけです...

 ホワイトカラーエグゼンプションは,いわゆるホワイトカラー労働者(=サラリーマン)に対する労働時間規制を適用免除(exempt)することです.ホワイトカラーを全員裁量労働制とみなすようなものなんです. 2005年6月に日本経団連が提言を行い,2006年6月に厚生労働省が素案を示しました.

 厚労省は2007年の通常国会に関連法案を提出する意向であり,早ければ2008年度にも法律として施行される可能性があります.


ホワイトカラーの労働時間規制が,なぜ注目されているか・・・?

 

 経団連が「新時代の日本的経営」という本において提案したことで注目されました.「ホワイトカラー」は,その働き方に裁量性が高く,労働時間の長さと成果が必ずしも比例しない部分があるとしており,このため,労働時間に対して賃金を支払うのではなく,『成果に対して』賃金を支払う仕組みが必要,というのが提案の要旨です...つまり「成果主義」をより徹底しようということですね.

 この提案については,「合法的に賃金を抑制したい」「労働者は,自己の健康は自分で管理すべき」といった経営側の飽くなき利益追求および社会的責任の放棄に過ぎないとの主張もされているようです. また,厚労省が過労死の元凶となっている無賃労働の取り締まりを強化したため,その回避策としての提案ではないかとの指摘もあります.これらの意見の方々は,経団連の提案を「盗人猛々しい」と批判しています.

ホワイトカラーエグゼンプションが導入されることで,次のようなメリットもあります.
経営者側:    達成すべき成果をもとに時間という概念を考えないで,人員配置などの経営計画をたてやすくなる. また,残業の多寡による給与変動が無くなることや,対象従業員の健康管理義務も無くせる事もメリットと言える
労働者側:     同じ成果でも時間をかけて残業してやった方が賃金が高くなる…という不公平が無くなり,人により自由な時間の使い方が可能になる

 難しい内容ですね,,,ここでホワイトカラーエグゼンプションの問題点に注目していきます...

 経団連の提案では,あるべき給与の決定方法について法案化を含めた具体的な対策が示されていません... また,超過労働への対処策については基本的に個々の企業の問題としています.そのため,短時間で成果を上げた労働者に賃金はそのままで次々に仕事を与えるだけ(労働強化)ではないか,無賃金残業を合法化しようとするだけ(労働時間強化)ではないか,労働者の健康管理コストを削減したいだけではないか,といった批判が発生すると考えられます.

 これまでのポイントをまとめると,今まで出ていた残業代が無くなり,成果主義を徹底させることで,サービス残業を強いられる人が多くなります.かたや仕事の出来る人も,時間があれば成果を上げるために人一倍仕事漬けの状態に陥る・・・というわけです.そんな仕事環境を社員に押し付けておきながら,健康管理は自分でしなさいと言う企業...いえ,日経連のプランですから,これが日本全体の企業理念になるわけです...万一社員が過労死しても,企業責任はとらないわけですね...

 確かに,アメリカンスタイルでノルマをきっちりこなして,アフタータイムに趣味の時間を楽しみ,次の日の活力につなげる,,,これは理想的な生活リズム・人生設計とも言えるでしょう.では全ての人ができるのか? 何人の人が,心身の負担を溜めずに,爽快な社会人人生を送れるのか? そして女性の晩婚化・少子化・育児・既婚出産済みの女性再就職への配慮は,全く視野に入っていないのか・・・? 

 上記は一部,Wikipedia から抜粋しているのですが,次の項目に関しては,実際原本HPで確認して欲しいと思います(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』).それは,この影響がホワイトカラー(サラリーマン・正社員)だけでなく,アルバイターやパートの仕事の減少につながるかもしれないというのです. 大まかには,パートやバイトにさせていた仕事を,正社員が『残業』としてやれば,企業にとってその正社員に残業代なしの年収を渡せばよい上に,パート・バイト代をカットできるわけなんです...こんな話聞いているだけで,体に変調きたしそうですよね...

 要するに,企業側は社員の残業代をなくし,給料減らすから仕事頑張れと尻をたたき,もし病気になっても自己責任だから会社は関係ないと突っぱねる方針なんです.ついでにホワイト〜と同時に,『兼業禁止』という規約が企業からなくなります.つまり,給料安くなるから休日にでもアルバイトしなさい,という方針です...上記の問題点から考えられる影響は,最悪の場合,労働者の年収ダウンや,失業率の上昇,過労死の増加,少子化の更なる促進,など様々な問題が発生する可能性があります. 労使協定のあり方や,法律による規制の範囲など,多くの検討個所がある制度といえるでしょう.

 先日,田原総一郎が司会をつとめるテレビ朝日の「サンデープロジェクト」に,伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長が出演されていました.丹羽会長は経団連会長の御手洗氏(キャノン)ともコネクションが強く,「会社は誰のために」を共著で出版.著書では会社に関わる人間の「人づくり」,トップのあるべき姿,そして日本の行く末について書かれています.

 番組でも経営者として,現在の日本経済・会社のあり方について議論されていましたが, 丹羽氏の懸念するのは,強いリーダーシップを発揮しようにも,会社に関して未教育のパートやバイトが増えることで,トップの意思・会社の方向転換などが,会社の末端まで行き届かないというリスクがあると懸念されていました.今の企業体制は非常に安易な構造で経営者にとっても楽であるが,逆に言えば日本の大半の企業がこのリスクに注意しなければならない,というのです...もちろん筆者ですら,将来バイトや派遣社員になるときに,会社の方針など目標は明確であって欲しい.そして同様に働いている人と共に,共同でノルマを上げていくものだと信じています.


 話は脱線しましたが,この丹羽会長,2005年10月にも出演してまして,そのとき口にされた言葉が,今でも非常に耳に残っています.「Economy eats Politics. 経済が政治を喰う」 臆面もなく財界の重鎮である丹羽氏のお言葉...これは1年経った今でも,十分通用しているでしょう.当初に紹介したホワイトカラーエグゼンプションも,御手洗会長率いる経団連のプランであります.このプランに関して,厚生労働省は過労死・労災増加を懸念し訂正を求めていますが,「経済が政治を喰う」ならば,この制度は実行される日も近いと思われます.うつ病リハビリとして将来仕事が出来たとしても,この制度は大きな精神的ハードルとして,筆者の目の前に聳え立つでしょう.

 ホワイトカラーエグゼンプションに関して,経済アナリストの森永卓郎さんもコラムを書かれています.筆者の説明より遥かに分かりやすいと思うので,参考になさってください (残業代なしでただ働きを強制される時代の到来 〜 ホワイトカラー・エグゼンプションって何? 〜).


by はたけ(^ω^)さん | 関連の新聞記事など このエントリーを含むはてなブックマーク
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