「社会的要因で一気に増加する可能性」 とは,先日お伝えしましたホワイトカラー・エグゼンプション などのことです.ホワイトカラー・エグゼンプションとは,経済界(経団連)が進行している制度で,要するに企業側が,働いている人の残業代をゼロにし,成果主義をさらに徹底し,給料減るから仕事しろ〜と言いつつ,健康管理は自分でしてくれ,という制度です... ちなみに,ホワイト〜とセットで「兼業禁止」という企業規約が廃止されるようです.これも,給料減らすから休日にアルバイトでもしなさい,という惨い追い討ち計画なんです・・・
では厚生労働省は何をしておるのか?その対策案については,労災認定ニュースと厚生労働省の審議 で確認しました. 厚生労働省もそれなりに,経団連に対抗していますが,企業がリストラに変わる経費削減策として,将来残業代カットといった流れを選び,それが働く人々に精神的な重圧になり,サラリーマンのみなさんのメンタルヘルスがお座なりになってしまう,可能性が非常に高いことには代りません.
そして,心配されるのが,メンタル疾患の中でも,仮面うつ病の増加が考えられます.
ストレスを受けたからといって,突然うつ病を発症するわけではありません.ストレスが溜まるに連れて,徐々にその影響が出てくるんです.例えば,初期症状として,心身症(身体表現性障害) というのがあります.心身症の場合,精神的ストレスが原因で,肩こりや胃潰瘍,円形脱毛症など,体に症状が現れます. それでも,ストレス負荷が続くと,パニック障害 などに進行し,精神面でも症状が現れます.パニック障害とは,ストレス過多で心臓発作と間違えるほどのパニック発作を引き起こします.
ここまでの心身症やパニック障害も,非常に辛い病気・障害なのですが,あくまで ”〜症”,”〜障害” という名称で, ”〜病”よりは軽度の疾患なんだと,医学的には位置づけられているようです. (ただ,〜症や〜障害と診断された方でも,病院に行く時点で,かなり病状が進行し,回復に時間を要す場合が,大多数かと思います)
ストレス過多により,これらの症状で病院に行き,しっかり治療を受け,ストレス負荷を減らせば,それ以上メンタル疾患が酷くなることはありません.
ところが,大半の人が,軽度の精神疾患・障害などに陥っていても,病気だと気づかず,『働きすぎのせい』 ,『仕事が次から次へと来る』 など,メンタル面で自分のキャパシティーの,ボーダーラインを大きくオーバーしているのを無視して,働き続ける状態に陥ってしまいます.時限爆弾のようにストレスが蓄積されていることに気づかずに・・・
そして,”〜症” レベルから,うつ病予備軍ともいえる,「仮面うつ病」になり,それでも自覚症状が無く,周りも深刻に捉えないまま,さらに精神的病気だと気づくまで放置され,深刻なうつ病状態に陥ってから病院へ駆け込むことになることが少なくありません (今思えば筆者も5〜6年は仮面うつ状態を放置し,軋轢が発覚してプッツンと精神の糸が切れ,引きこもりになり,精神科クリニックに泣き泣き駆け込み,重度のうつ病と診断されました)
前置きが長くなりましたが,仮面うつ病の早期発見ポイントを挙げていきます.
・体の症状に悩んでいるが,検査をしても原因不明
・内科,整形外科で治療中だが,一向に改善されない
・病院めぐりをしている
・複数の科を受診している
・身体症状に日内変動がある
(午前は調子が悪いが,夕方以降に元気になる)
ここまでは,患者さん本人が自覚できる症状です.注意すべきは,日常の行動の変化です.
・朝,新聞を読まなくなった(朝刊シンドローム)
・いつも見ていたTVを見なくなった
・好きな趣味に取り組まなくなった
・外出をしなくなった
・化粧をしなくなった
・仕事に集中できなくなった
・仕事でミスが多くなった
こういった些細な変調を見過ごさず,筆者みたいな重度のうつ病にならないよう,おかしいと思ったら,病院やクリニックへ足を運びましょう.
話は変わりますが,仮面うつ病という言葉以外に,うつ症候群というのがあります.以下のものはうつ病や,軽度のうつ病として治療されます.
・昇進うつ病(昇進して部下もでき,過剰な責任感を感じる)
・転勤うつ病(環境の変化や,新天地での責任感や重圧)
・定年うつ病(急に仕事がなくなり,毎日するコトが無く孤独感に陥る)
・引越しうつ病(念願のマイホームに引越し,夢や目標を失う)
・燃え尽き症候群(仕事一筋,気分転換をしない人がなりやすい)
・サンドイッチ症候群(上司と部下の板ばさみなど)
・スーパーウーマン・シンドローム
(仕事と家庭を両立させ,完璧を目指しすぎて,燃え尽きてしまう)
・空の巣症候群(子供が進学・就職・結婚し,家庭に空虚感を感じる専業主婦に多い)
色々ありますが,挙げたらキリが無いほど症例があります.ともあれ,これらの症状に陥らないようにも,アクセル踏みっぱなしの車のような人生を送っている人は,ちょっとスピードダウンしてみませんか...
参考書⇒ 本>入門書・初期段階の方
