お薬辞典 







2006年12月14日

季節性うつ病・冬季うつ病

autumnleaves 一般的な,季節性うつ季節うつ というのは,
秋−冬になるとうつ症状が出てくるものです.

なぜこの季節にうつ症状になるのか?


その鍵は,
日照時間です.

以前にも日光に浴びる時間や周期(リズム)が乱れることで,睡眠障害,うつ病に発展することを紹介しました(概日リズム睡眠障害) 同様に,人のホルモンバランスと日照時間は相関があって,日に当たる量が減るこの季節に,うつ症状が現れやすいと言われています.

日照時間が短くなるにつれ,また気温が低くなるにつれて,まるで体と心が冬眠するかのように体が重くなり,頭がボーっとするようになります.気分はふさぎこみ,悲観的になる.何時間寝ても眠くなり,朝はなかなか起きられない・・・しかも,食生活にも影響して炭水化物ばかり摂取するようになると,季節性うつ病の可能性があります.(最近の筆者も寝てばかりで悲観的になりやすいです...)
  

  
ネットで得たチェック表です.
○調子の良さ(夏は調子がよく,秋−冬は不調)
○血圧低下・冷え性(秋−冬になると増える)
○体重(秋−冬になると増える)
○睡眠時間(秋−冬になると増える)
○食事の量(秋−冬になると増える)
○人付き合い(夏の方が活発)
○食事の好み(秋−冬になると炭水化物が多くなる)


 カッコ内に当てはまれば,冬型の季節性うつの可能性があります.しかしこれらは本来,動物が栄養を貯え冬眠に備えることと同じで,多くの人が,冬は億劫と思う場合があると思います.よくうつ病で注目されるセロトニンは,光の刺激が目から脳に送られることで生産が促される,神経伝達物質の一つです.つまり,光の量が減ったことでセロトニンも減少し,脳の働きが低下してします.この異変によって起こるのが空腹感です.これは低下した脳の機能を取り戻すため,糖分や炭水化物を摂取するように,脳が体に指令を送るためのシグナルなんです.倦怠感や眠気もセロトニン不足により,脳の活動が極端に低下し,半分眠ったような状態に陥りやすくなる結果です.判りやすい判別点は,冬でも人付き合いなどが活発か?という点でしょうか...ウィンタースポーツを楽しめる人は,季節性うつとはあまり縁が無いと思います.

 ただ,この季節性うつ病と断定できる人は,一般の人の億劫とは違い,きわめてその症状が強く出るのが特徴です.多くの場合が冬場に現れるため,冬季うつとも呼ばれています.逆に夏になると躁状態になる例もあります.

 またうつ病と名は付いていますが,医学的には正式な分類化はされておらず,躁うつ病の中で,季節によって症状が変化する種類として扱われています.躁うつ病となると,遺伝的要素が強いので,うつ状態が酷い人,躁転した時のギャップが大きい人,生活に支障が出るほどの症状の場合,根気強い治療が必要と言われています...


治療法は複数あります.

 通常の抗うつ薬でセロトニン調節をする.元々日照不足で体内で生成されるセロトニン量が減るので,抗うつ薬での治療が可能です.また躁うつ病の治療薬である,リーマスも効果的といわれています.

 また,日本海側に住んでいる知人の医師から教えていただいたのですが,光線療法(蛍光灯のようなものがいっぱいついているらしいです)というのがあります.朝早起きして1~2時間,光(パルス)を浴びることで,日照不足を補うというわけです.日光でもそうですが,目から受ける光の刺激が重要ですので,朝起きて日光を見るのも,ホルモンバランスをリセットするのに効果的です.

 食生活の乱れも生じるので,食事療法が取り入れられることもあります.セロトニンの原料になる必須アミノ酸のトリプトファンやビタミンB6を摂取するようにします.また,ビタミン12が光に対して感受性を高めてくれます.これらは,うつ病・躁うつ病でも効果的です.なお,必須アミノ酸は肉・魚・大豆に含まれ,豚肉はビタミンB群に優れています.鰹節もいいらしいですので,意識して取り入れるのもいいでしょう.


 以前,曇りのち雨のうつ気分は...  うつ病の注目度と気圧 でも,低気圧が近づくと体調が悪くなる,と述べました.普通の人である,うちの父ですら雨の日は億劫です. 特にうつ病の人,統合失調症などセロトニンバランスの崩れている人は,季節・日照時間・気圧変化に敏感で,なおさら天候に症状が左右されやすいようです.それはセロトニンが不足している場合,光に敏感になり,季節変化や天気の影響が出やすいからと言われています.天候のために,うつ症状がでたら,無理せず安静にしているのが,いいようです.

<後日談>
 筆者は通院日に,医師から季節性うつかどうか相談しましたが,その時点でテンションが戻りつつあったので,結局また様子を見ることにしました.代わりに日本の研究者で,季節性うつ病の専門家はいないか聞いたところ,国立精神・神経センター・武蔵病院(現在は移動されました)の高橋清久氏だと教えてもらいました. 「高橋 清久」や「季節性感情障害」で検索すると,季節性うつについての研究機関などヒットします.現在では高橋氏を発起人として
日本時間生物学会が設立.各機関の研究者が主に「生体リズム(サーカディアン・リズム)」を疾病の原因として,多角的に研究しているようです.また,非定型うつ病(atypical depression)や季節性感情障害(seasonal affective disorder : SAD)も,ちょっと難しいですが参考になるHPです.



by はたけ(^ω^)さん | うつ病や心の病について2 このエントリーを含むはてなブックマーク
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