そんな向精神薬の薬物依存性に関する新聞記事が紹介されましたので、ご紹介します。
薬物依存症の原因として、精神科の医療機関などで処方される向精神薬が急増し、シンナーなど有機溶剤を初めて上回ったことが、国立精神・神経医療研究センター(東京都)の調査で分かった。覚醒剤に次ぐ2位で、乱用の対象が「捕まらない薬」にシフトしつつあることを示した。同センターは「従来の司法だけの対応では限界がある」として、依存症対策の拠点となる精神保健福祉センターの態勢強化を訴えている。 毎日新聞 2013年02月22日 11時34分(最終更新 02月22日 12時00分) http://mainichi.jp/select/news/20130222k0000e040187000c.html |
薬物乱用にはリスクがあると知られているのに、悪いことをするために向精神薬を治療以外の目的で使う人も出てきている、というニュアンスです。
ただ一方で、実際の治療で乱用状態に陥っている人もなくは無い、そういう感触を私は得ています。
理由は初診時の医師の投薬内容です。相談を受けたことがあるケースで、ドクターショッピング状態になっている方がいました(相談者が一人とは限りません)。ドクターショッピングとはセカンドオピニオン探しが最初の目的だったのに、ウィンドーショッピングのように色んな医者に診てもらう事を言います。どういう訳だか、そういう方の中には、どの医者に行っても初診時から大量の薬を、しかも内容も全く異なる薬を処方されるケースがあったからです。
私が通うクリニックの先生は、むしろ薬の量や種類を減らすようにしているのに、初診時から大量の抗不安薬を出される人がいる。正直怖さを感じました。本当に必要な量なら納得がいくんですけど、初めて診る人にいきなりお薬大盛りという感じで、副作用や離脱作用、今回問題となっている薬物乱用状態に繋がるんじゃないか、そう思う訳です。
私が考える良いお医者さんは、いきなり薬大盛りはしないお医者さんです。まずは優しめのお薬を、体に合うか少量・少数からはじめる。それが良心的だと思うのです。でないと、治療自体が薬物乱用状態を招いてしまいます。
新聞記事にあるような、自ら乱用目的で治療薬を使う事は、とても危険なことです。自分だけでなく、周りを傷つけることだってあるわけですから。記事の中では薬物乱用の対処療法に、認知行動療法が紹介されていました。薬漬けになりすぎないためにも、カウンセリングなどを取り入れてみるのもお勧めです。
下記で紹介している「こころが晴れるノート」は、私がカウンセリングの時に使用したテキストです。薄めで解りやすいテキストでした。