お薬辞典 







2006年02月11日

いろいろなうつ病があります 2

 女性の場合,男性の2倍もうつ病になりやすいと言われていますがく〜(落胆した顔) それは,月経(女性ホルモン)と関連していて,女性特有のストレスを感じやすい月経前,妊娠・出産,子育て,更年期は症状が出やすくなります.

<月経前症候群(PMS)・月経前不機嫌性障害(PMDD)>
 月経の10日前くらいから,イライラする,落ち着かない,涙が出る等,うつ状態が現れるといった症状があります.慢性的に続くと生活に支障が現れるようになります.月経前症候群(PMS)よりさらに症状が強く,精神症状が顕著で日常生活に支障をきたすような程度ものになると,それを月経前不機嫌性障害(PMDD)といいます.PMDDは5%の女性にみられるそうです.

<産後うつ病>
 出産後は,赤ちゃんの授乳に追われ,心身ともに負担の大きい時期です.この時期に,ゆううつになったり,涙もろくなったり,赤ちゃんが健康に育っていない気がする,,,などと感じることがあります.いわゆる「マタニティーブルー」という状態ですが,多くは自然によくなります.しかしこの状態が長引いたり,不眠症になったら,産後うつ病の可能性があります病院

<更年期うつ病>
 閉経を迎える時期は,女性ホルモンのバランスの乱れによる身体の不調に加えて,夫の仕事に関する気苦・,子供の自立,親の高齢化をめぐる心配事など,心理的なストレスが絶えない時期です. 症状としては,ほてり,寝汗,肩こり,めまい,頭重,孫痛,手足のひえなどの更年期特有の身体症状に加え,やる気がおきない,楽しさを感じられない,不安・イライラする,不眠などの精神症状が出現します.更年期うつ病では,うつ病の治療に加えて女性ホルモンによる治療が効果的な場合もあります.



by はたけ(^ω^)さん | うつ病や心の病について このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年02月10日

いろいろなうつ病があります 3

 高齢者では体の衰えに喪失体験などのストレスが加わって,うつ病になりやすいといわれています.身の置き所が無い,物覚えが悪くなったといった不安感や焦燥感が強く出たり,体の症状が前面に出たりすることもあります.

<高齢者のうつ病の特徴>
●イライラが目立ちます: 気分の落ち込み,無気力などうつ病らしい症状は比較的軽く,反対にイライラしたり,あれこれ心配して歩き回ることが多くなりますちっ(怒った顔)
●仮面うつ病が起りやすい: 頭重,めまい,しびれ,肩こり,動悸,食欲低下,不眠など身体症状が中心で,気分が落ち込むなど精神症状が覆い隠されてしまいます.
●仮性痴呆がみられます: うつ病の症状で反応が鈍く,ぼんやりとした表情になるために,痴呆が始まったように見えることがあります.しかし,これは本当の痴呆ではなく,うつ病が回復すると良くなります.このため「仮性痴呆」と呼ばれますバッド(下向き矢印)バッド(下向き矢印)バッド(下向き矢印)

この仮性痴呆と本当の痴呆の見分け方ですが,一般的なものを表にしましたひらめき



 うつ病による仮性痴呆と痴呆の見分け方
 うつ病による仮性痴呆痴     呆
症状の起こり方痴呆症状が出る前に気分の落ち込みや,不安が見られることが多い.痴呆症状が出る前に,気分の落ち込みが無い.
症状が続く期間数週間から数ヶ月.何年にもわたる
症状の経過悪くなったり,良くなったり波がある.波は無く,徐々に悪化する.
症状に対する本人の態度物覚えの悪さを悲観している.あまり悲観的にならない.
時間,場所の理解できる.できない事が多い.
気分が沈んだり,不安定な表情感じられる.あまり感じられない.
朝早く目覚め,その後眠れないしばしば.少ない.

by はたけ(^ω^)さん | うつ病や心の病について このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年02月09日

パニック障害

 パニック障害は,特別な理由も無く襲ってくるパニック発作で発症する病気です.しかもこの発作は心筋梗塞や脳出血を疑うほど激しいものです.この発作は1回だけでなく何度も繰り返され,そのうちに「また発作が襲ってる・・・」と強い予期不安に苦しめられるようになります.

 発作がおきても,安全なところに逃げ出せば少し安心します.ですが,新幹線・電車,エレベーター内,飛行機など逃げ場が無い,助けを呼べない場所で発作を起こしたらどうしようと不安になります.また,以前パニック発作を起こしたことのある場所を避けるようになります.この不安状態をパニック障害の中でも,「広場恐怖症・空間恐怖症・閉所恐怖症」といいます.

 パニック障害と診断されたら,まず薬で発作をコントロールします.脳内の神経伝達物質のアンバランスを調節する抗うつ薬が用いられます.

 パニック障害を乗り越えるために,
1自分の病気を良く知る. 
2パニック発作を恐れないこと. 
3発作は必ず去ることを忘れずに. 
4医師の指示をしっかり守る.
 

ことが大事です. 薬の効果で発作が起こらなくなったら,それまで避けていた状況や場所に徐々に挑戦する治療(エキスポージャー療法)などを行います.

by はたけ(^ω^)さん | うつ病や心の病について このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年02月08日

社会不安障害(SAD)

 社会不安障害は,人前で字を書くにしても,「人の前で恥ずかしい思いをするのではないか」 と過剰な心配をするために恐怖心が非常に強くなる障害です.

 そのような場面に遭遇すると,紅潮,発汗,震え,動悸,どもり,下痢,腹痛といった症状が現れます.このような症状が「また起こるのではないか?」といった不安を引き起こし,人が集まる場所を避けるようになります似た病気でパニック障害がありますが,SADは人前で常に強い苦痛を感じる,という場所・時間が限定されているのに対し,パニック障害はどこでも理由も無く発作が起きてしまうことが違います.

 治療方法はうつ病でも使われるSSRIのような抗うつ剤抗不安薬を用います.抗うつ薬は脳内のセロトニン神経の機能異常を調整して,気分を楽にしてくれます.また,抗不安薬によって,SAD特有の手足の振るえといった緊張症状を抑えます.また認知行動療法といって,不安を抱き,その不安から回避する恐怖状況に直面できるように,医師やカウンセラーのによる治療法を受けます.

 この障害は,放っておくと悪化しパニック傷害やアルコール依存症,うつ病の発症につながりますまた,ただのあがり症というように患者本人の性格として決め付けてしまうため,周りの人は本人がSADで悩んでいることに気づきません

 「内気な子」 「無気力な子」と家族や友人を思っていませんか?もしかしてSADなのかな,と思ったら気軽に専門のお医者さんやカウンセラーに相談してみましょう.

by はたけ(^ω^)さん | うつ病や心の病について このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年02月07日

強迫性障害(OCD)

 強迫性障害は,不快な考えが頭に何度も浮かぶため,その不安を振り払う目的から同じ行動を繰り返してしまう病気です.何度も何度も手を洗うとか(不潔恐怖+洗浄強迫),戸締りを何度も確認しないときがすまない(確認強迫)など,誰でもたまには経験する行動なのですが,それが習慣的かつ非常にエスカレートして非常に支障をきたすようになります.

 エスカレートしてきた場合,発症者本人も強迫行為や強迫観念に対してばかばかしさや,無意味さを感じているので,家族や周囲の人に知られて「頭がおかしい」と思われないかと不安に思い,自分の中にじっと閉じ込めてしまい,10年も病院などに行かないケースもあるようです.

  わかっちゃいるけど,やめられない・とまらない(まるでかっぱえ○せんのCMみたいですが),症状に気づいたら周りの目を気にせず,堂々と専門医に相談に行ってみましょう.どの障害も早期発見による受診で早い回復が見込めるものです.

by はたけ(^ω^)さん | うつ病や心の病について このエントリーを含むはてなブックマーク

2006年02月05日

統合失調症(旧精神分裂病)

ムンクの叫び 突然ですが,図にあるのは有名なムンクの「叫び」です.かつてムンクは,フィヨルドの近くを歩いているときに「自然をつらぬく,けたたましい,終わりのない叫びを聞いた」と言ってこの作品を書き上げました.では,そこにいた他の人に同じ叫びが聞こえたのでしょうか...?

 統合失調症とは,以前精神分裂病と呼ばれ,まるで人格が変るかのように思われていた精神疾患です.しかし多重人格とは異なるため,現在の病名になりました. 「統合」とは,思考や行動,感情などを1つの目的に沿ってまとめていく能力のことそして「失調」とは,一時的に調子を崩しているものの,回復の可能性があることを示しています.

 つまり「統合失調症」とは,直接の原因がないのに考えや気持ちがまとめられなくなり,その状態が長く続くこと.そのため行動がギクシャクして,困難や苦痛を感じ,回復には治療や援助が必要になる病態だといえます.
統合失調症―最新の薬物療法とその他の治療法、患者のための社会福祉制度ガイド よくわかる最新医学


<統合失調症の症状>
●陽性症状
 他の人に感知できない音や声が聞こえたり物がみえたりする「幻聴・幻覚」や,真実ではないことを信じてしまう「妄想」,支離滅裂な会話など.
●陰性症状
 意欲欠如,平板な感情,思考貧困,身なりの無頓着
●認知症状
 物事に集中不可能,新しい情報の習得困難



<原因や処方薬>
 妄想(被害妄想)などが生じるプロセスに,脳内の神経伝達物質であるドーパミンが関係あると考えられています.ドーパミンは一種の興奮物質ですので,過剰になれば心が静まることがなく,不眠になったり,病的な不安や焦燥感をもたらします.周りの考えと異なるゆえに孤立すると被害妄想を起こしやすくなります.このとき,患者さん本人にとって幻聴・幻覚・妄想が現実であって,自分がおかしいとは全く思っていません.それが健常者との違いです.
 このドーパミン以外にも不安感に影響するセロトニンの異常が病気に関係すると考えられています.そのため,治療薬にはうつ病と同じように抗うつ薬抗不安薬(マイナー・トランキライザー),抗てんかん薬睡眠薬,そして主に第1選択薬として使われるのが抗精神病薬(メジャー・トランキライザー)です.これらの薬を組み合わせて,脳の障害を回復させます.



<ご家族の方へ>
 統合失調症の基本症状は「妄想」と「幻覚」です.といっても,患者さんには患者さんなりの理屈があって,ただその理屈が通常よりも「飛躍」していると考えれば,そんなに深刻なことではありません.この病気の名前が「精神の分裂」から「統合の失調」へと変ったのは,「物事の考えをつなげる働き」に障害が起こるところに,この病気の本質があるのです.ですので,患者さんの話が逸脱していても,無視するのではなく,日ごろからの患者さんの様子をお医者さんに伝える準備をしてください.有効な治療を受ければ,経過も良くなります. 

by はたけ(^ω^)さん | うつ病や心の病について このエントリーを含むはてなブックマーク
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。